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設計製造・AI・IoT・DXバーチャルオンライン展示会レポート

2022年3月7日~11日に開催された「設計製造・AI・IoT・DXバーチャルオンライン展示会」の体験レポートをお届けします。このイベントは、オンライン上で3D再現された会場内を自由に歩き回ることができるバーチャル展示会です。新型コロナウイルス感染症の流行により、日本や海外の展示会の多くが中止や延期される中、新しい展示会形式として注目されています。

設計製造・AI・IoT・DXバーチャルオンライン展示会 ロゴ
実際に展示会場を歩き回る感覚を味わえるウォークフリー機能

出展企業は47社あり、4つにカテゴライズされています。
展示会の規模としては大きくはありませんが、各カテゴリーでバランスよく配置されている印象です。

誰でも無料で入場することができ、開催期間中は、インターネットにつなげる環境さえあれば、24時間どこからでも展示を見ることができるのが最大のメリットです。会期後も4月29日までアーカイブ展示が行われるため、今からでも各社のブースを見ることができます。
会期中は展示時間内であれば、各企業の担当者とのチャットやデジタルミーティングの予約も可能となっており、リアルな展示会と同様に出展社と直接コミュニケーションをとったり、商談をすることが可能です。

また専門家による講演会も開催されており、こちらも録画映像をいつでも見ることができます。

展示会マップ

バーチャル展示会場で閲覧できる出展社一覧

展示会全体を通して、効率化の実現や、属人化した業務のシステム化、ナレッジの共有による人材育成、そして利益を生み出さない定型業務のデジタル化など、より付加価値を生む業務へ労働力を集中させ生産性を上げることへの手段として、デジタルの利用が進められていると感じました。

これはますます進む労働人口の減少や、働き方改革によって少なくなる労働時間をいかにカバーするかということや、グローバル時代において、競争力のあるビジネスを実現することが大きな課題となっているからではないでしょうか。

逆に言えば、日本の製造業においては未だデジタル活用が浸透しておらず、この分野はまだまだ開拓の余地があるということです。

AI/IoTフロア

12社が参加。
先進的なソリューションとして、翻訳・通訳作業のAI化が提案されていました。これは、グローバル社会に対応していくうえで欠かすことのできない技術です。翻訳精度の向上、多言語対応だけでなく、各業界の専門用語への対応などが進められています。

また、機械の保守保全業務にIoTを取り入れることで、稼働率の向上やコストの削減など、既存の設備を活かした提案も見られました。

DX/RPAフロア

15社が参加。
コロナ禍によって一般的になったテレワークですが、懸念となるネットワークのセキュリティ強化、電子サインによる文書のペーパーレス化など、新しい働き方を推し進める技術が目立ちました。仕様書や作業マニュアル、さらにテストレポートなど、定型化された書類の自動化による時間削減は、AIの進歩によって今後さらに広がりを見せるのではないでしょうか。

CAD/CAM/CAEフロア

12社が参加。
3D CADの更なる普及とそれによる効率化をアピールする企業が多く見られました。
設計業務は現状、熟練者による経験やスキルに依存している点が課題となっており、そのスキルをいかに共有するか、蓄積された情報をいかにデータベース化するかは多くの会社にとって悩みの種ではないでしょうか。

また、テレワークに対応した設計業務を支援するCADのクラウド化など、近年の状況に沿った展示も見られました。

3Dプリンタ/工作機械/VR/3Dサービスフロア

9社が参加。
製造業では図面提出などアナログ作業による時間のロスが課題となっています。
その中で、精密さが向上した金属3Dプリンタを用いた、図面を必要としない短納期の3D金属試作サービスに目を引かれました。
また、3DデータをアップロードするだけでAIによって見積り、さらに最短1日での出荷を可能とするサービスも紹介されていました。加工品・機械部品の手配で必要だった従来の2D図面作成の手間をなくし、納期に関わる時間のロスを平均92%削減してくれるそうです。さらに、見積をAI化することで調達時間や手間を削減し、本業である製造により時間をかけることができるのは魅力です。

オンライン展示会は、現在アーカイブ開催中で、2022年4月29日まで閲覧ができます。
URL:https://jpn-expo.com/

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