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趣味の自転車カスタムが人気ビジネスに!その秘訣とは?

おりも みか
製造業ライター

自転車と聞くと、普段乗り慣れているシティサイクル、通称「ママチャリ」を思い浮かべる人が多いと思いますが、最近はロードバイクに乗る人がとても増え、街中でもよく目にするようになりました。

国土交通省は2020年に自転車通勤を推進する企業・団体を認証する制度である「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトを発表し、自転車通勤を奨励しています。健康の増進と二酸化炭素を出さないエコな乗り物として、自転車は今、大きな注目を集めています。

実際ヨーロッパでは、すでに多くの国や都市で自転車が深く浸透しています。世界一のロードバイクのイベントであるツール・ド・フランスは、その人気や経済効果の高さからFIFAワールドカップ、オリンピックに並ぶ世界三大スポーツイベントとも称されているのをご存知でしょうか。自転車は今や「世界のトレンド」と言っても過言ではありません。

私が住む宇都宮は、市を挙げて「自転車のまち」を推進しており、日本で唯一、国際自転車競技連合(UCI)から認定されたロードレース「ジャパンカップサイクルロードレース」が毎年開催されます。また、自転車専用通行帯の長さは全国一の35.4キロ。ロードバイクを購入することのできる自転車屋さんが多く、飲食店やコンビニなどにロードバイクを置くためのバイクラックが置かれていることも珍しくありません。休日に那須や日光に足を延ばせば、多くの自転車愛好家たちがいろは坂などをヒルクライムしている姿を見かけます。性別関係なく、幅広い世代の方々が自転車を楽しんでいます。

今や自転車、特にロードバイクは、すっかり「大人の趣味」として市民権を得ています。その理由の一つとして、カスタム性の高さが挙げられると思います。いわゆる「ママチャリ」とは違い、ロードバイクを趣味としている人達は自分の体格や能力、走る場所などに合わせて、ロードバイクを自分たちで自由にカスタマイズしています。ハンドルからサドル、タイヤ、フレームに至るまで、さまざまなメーカーから販売されているパーツを好きなように組み合わせ、自分だけの一台を作ることができるというのも、ロードバイクを趣味とする人たちにとって大きな魅力の一つです。また、ヘルメットやユニフォーム、サングラス、グローブなど身に着けるもので個性を出すことができることも、ロードバイクが多くの人々から支持を得ている要因の一つでしょう。

スペインのバルセロナ北部にあるパラフォルスでロードバイクのカスタムビジネスを行っているSergio Vergel Escribano氏。

彼が使用しているのは、ローランド ディー.ジー.のデスクトップサイズのインクジェットプリンターBN-20とカッティングマシンGS-24。平滑な部位に貼るステッカーや曲面に貼る水転写デカールへの印刷にはBN-20を使用。また、デカールでは貼りにくいフレームの複雑な部位などには、GS-24でマスキングシートをカットしてスプレー塗装をするなど、それぞれのパーツの形状に適した手法を用いることで、唯一無二のカスタムを可能にしています。印刷品質もお墨付き。マスキングや塗装では難しかった細かい文字も、BN-20なら高精細に表現。また、オンデマンド印刷により、デザインの変更にも柔軟に対応することができ、デジタル化による作業性の向上や品質の安定化を実現しています。さらに、限られたスペースでの作業が可能な点も魅力の一つです。

もともと、Sergio氏は個人的な趣味としてヘルメットや自転車のカスタマイズを始めました。しかしローランド ディー.ジー.のデバイスと出会ったことでビジネスに進化し、個人ユーザーや自転車販売店に加え、Trek・Factor・Megamo・Openなどの大手ロードバイクメーカーにサービスを提供するまでに至っています。自転車ビジネスはこれからますます発展していくことが期待できます。最新デジタル技術を取り入れること、トレンドを見定めること、そして自身のセンスがあれば、新しいビジネスチャンスは身近なところにこそあるのかもしれません。

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