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世界のデジタル化ニュース

デジタルの力で進化するアートの楽しみ方

これまで、わたしたちが文化芸術作品を鑑賞するためには、所蔵元である美術館や博物館に足を運ばなければなりませんでした。また、貴重な作品の劣化を防ぐために、公開される時期が限定されていたり、公開時にも、専用ケースに格納され、照射光量を制限した状況で展示されていたりするため、作品に近づいて細部までじっくりと鑑賞することが困難でした。

しかし今、最先端のデジタル技術が、これらの課題を解決し、アートの楽しみ方を大きく変え始めています。

今回は、こうした動きのひとつの例として、NTT東日本とNTT ArtTechnologyが推進する「分散型デジタルミュージアム構想」をご紹介します。

分散型デジタルミュージアム構想とは、「ICT技術を活用して、さまざまな人々が身近な環境の中で文化芸術に触れることにより、地域と都市、世界をつなぎ、地域活性化に貢献すること」を目指す取り組みです。

「高品位三次元質感画像処理技術DTIP*1」という技術を用いて、文化財や美術作品を高精細なデジタルデータに変換し、自宅や学校、病院、介護施設、商業施設などにオンライン配信することで、たくさんの方々が時間や場所にとらわれず作品を鑑賞できるようになります。

NTT東日本では、この取り組みを紹介する、体験型美術展「Digital × 北斎」【破章】特別展*2を開催しています。展覧会では、日本が世界に誇る葛飾北斎の最大の作品、岩松院本堂天井絵「鳳凰図」(八方睨み鳳凰図)をデジタル化し、そのデータを元にUVプリンターで再現した原寸大の復原図を、プロジェクションマッピングを交えながら展示。北斎が作品に込めた想いや仕掛けなどの新しい考察や発見もあり、大きな話題を呼んでいます。

長野県小布施町にある岩松院本堂の天井絵

「Digital × 北斎」で展示された高精細デジタル復原画

プロジェクションマッピングで作品の世界観を演出

このように、デジタル技術を活用すれば、誰もが手軽に文化芸術作品を鑑賞できるようになりますし、そのデータを使って精巧なレプリカを制作すれば、作者の筆使いや微細な凹凸表現までをも間近に、しかも実際に手で触れて楽しむことも可能になります。また、AIやVRなどの技術と組み合わせれば、今までにない創造的なエンターテイメントとして、作品の世界観をより分かりやすく、魅力的に提供することもできます。

デジタル技術の力は、これからもアートをより身近なものに、そして「観る」から「ワクワクする体験」へと進化させていくことでしょう。

*1^ 高品位三次元質感画像処理技術DTIP
NTT ArtTechnology社のパートナーである株式会社アルステクネの特許技術。絵画から図像や色彩だけでなく、質感や立体感、サイズなどの情報を読み取ってデータ化し、特殊な画像処理システムによって合成する技術。


*2^「Digital × 北斎」【破章】特別展
2022年6月2日(木) ~ 2022年7月3日(日)の期間(木曜日~日曜日のみ)、東京オペラシティタワーで開催されている体験型美術展。
詳細はこちら https://www.ntt-east.co.jp/art/hokusai-special/index.html

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