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新しい自分を知る手掛かりになる「美容AI」とは

おりも みか
製造業ライター

化粧品選びは、楽しいことである反面、とても難しいことでもあります。
人の肌の色はまさに十人十色。100人いれば100通りの色があります。

今回は、自分に合った化粧品を見つける、新しいソリューション「美容AI」を紹介します。

人の肌の色はみんな違いますが、実際に販売されている化粧品にはそれほどの色数は準備されていません。
BBクリームなどで言えば、2~3色しかないこともありますし、メーカーによっても色味は違います。逆に多過ぎてもどれを選んだら良いのかわからなくなってしまいます。
そういったときには、まず自分の肌に塗ってみるのが一番確実な方法です。

ところがこのコロナ禍で、百貨店などのコスメカウンターで美容部員によるタッチアップができなくなっただけでなく、ドラッグストアの店頭でのテスターすら姿を消してしまった時期がありました。外出自粛の流れの中で、化粧品は店頭ではなくインターネット通販で購入した人も多かったのではないでしょうか。

何より「対面販売は苦手」という人もいるでしょう。
筆者もそうですが、SNSでもそういう声はよく聞こえてきます。
できれば人と会わずに、自分に合う化粧品を見つけたい。

自分の肌に合うものがわかっていれば、同じ品番を購入するだけなので、より手軽に購入できるインターネット通販は強い味方です。

ですが、試したことがないファンデーションを、インターネットで購入するのは勇気がいることです。口コミなどを調べながら購入したものの、いざ自分に塗ってみると合わず、使えなくてそのままなんてことも。

ファンデーションはメーカーやブランドによって値段も大きく違いますが、おおむね2000~8000円ほど。デパコスになれば1万円を超えるものも少なくありません。決して安いものではないのです。いくつも購入して試してみる、というのは経済的に容易ではありません。

そもそも「自分に合う」とはどういうことなのかがよくわからないという問題もあります。
ファンデーションにはよく「オークル」「ベージュ」「ライト」などのカラー名がつけられていますが、化粧品以外ではあまり見かけない名前で、果たして自分に合うものはどれなのかがわかりにくいのです。

メーカーのサイトにはカラーチャートもついていますが、自分の肌の色を客観的に判断するというのは、予想以上に難しいものです。

パーソナルカラー診断をご存じでしょうか?
近年、美容業界では当たり前のようになってきました。
自分のパーソナルカラーを知れば、化粧品選びに道筋が見えてくるようになります。

パーソナルカラー診断では、まずその人の肌の色味が、イエローベース(イエベ)なのかブルーべース(ブルべ)なのかを判断します。
続いて「イエベ春」「イエベ秋」「ブルべ夏」「ブルべ冬」の4つのパターンに分け、その人に似合う色味を診断するのです。

では、どのように診断すればよいのでしょうか。
確実な方法は、資格を持ったアドバイザーに診断してもらうことですが、これはお金もかかりますし、なかなかハードルが高いものです。今ではインターネットでの自己診断、もしくはアプリでカメラを使っての判定など、デジタル技術を活用した非対面のサービスも多く出ています。
美容AIが搭載されたアプリを利用すれば、たいていはそのまま肌色に合うファンデーションやアイカラー、リップなどを教えてくれるので、化粧品を選ぶ際に参考になります。

しかし、こういったオンラインの自己診断も一筋縄ではいかないのです。
たとえば「自分に似合うのは?ブラウンorグレー?」という設問があっても、それを知りたいから診断をしているのでは…という袋小路に迷い込んでしまいます。

さらに、スマホのカメラを使用した場合は、外での自然光なのか、室内の蛍光灯なのか、などによっても色味が変わってしまうため、撮影した環境によって診断結果に影響が出てしまいます。

こうした課題を解決したのがZOZOGLASSです。

ZOZOGLASSの画期的な点は、光源による色味のズレを装着したグラスで自動補正してくれることです。

無料で届くZOZOGLASS。思っていたよりずっとしっかりした作りです。早速肌色計測をしてみました。

肌のトーンをヘモグロビン量とメラニン量で判断するようです。フェイスパーツごとの細かい色味まで計測してくれるので、コンシーラーを選ぶ際の参考にもなります。

以前行った自己診断では、私のパーソナルカラーはブルべ夏でしたが、今回はどうでしょうか。

ブルべ夏という結果でした。また、私の肌の色に近いベースメイクの商品も教えてくれるので、選ぶ参考になりますね。

今度は少し場所を変えて、再度計測をしてみます。

数値はあまり差がないように思います。

ですが、パーソナルカラー診断ではイエベ秋という結果でした。

この後もいろいろと場所を変えて計測してみましたが、計測結果に多少のブレは出てくるようです。
それでも、自分の肌トーンの傾向がわかったので、ベースメイクを探す指標になりそうです。
うまく使えば自分が普段は選ばないような色をチャレンジするきっかけにもなり、新しい自分を知ることができます。

さらに、自分の肌に合う化粧品を探すのではなく、自分の肌に合わせて化粧品の方をカスタマイズする、という発想から生まれた商品もあります。肌に負担になる成分を使用せず、ミネラル成分だけで作られたファンデーションの先駆けブランド、bareMinerals(ベアミネラル)のカスタムファンデーションです。
このサービスを可能にしたのは、アメリカのITベンチャーであるMATCHCoが開発したMADE-2-FITという美容AIアプリです。

音声案内に従って、スマホのカメラで肌をスキャンすると、正確な肌の色調分析を可能にする技術によって、個人の肌の色にあったファンデーションにカスタマイズ。さらにボトルに名前を印字してくれるので、自分だけのファンデーションを製作することができるのです。

アメリカのように、さまざまな肌の色をもつ人たちがいるからこそ進んだ技術。日本ではまだ正式なサービスはオープンしていませんが、今後の展開に期待したいです。

これらの美容AIというソリューションが、日々の化粧品選びに大きな革新をもたらすことは間違いないでしょう。

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