収縮性に優れたUVインクを使ったシュリンク包装のモックアップ製作
飲料や食品、日用品の包装分野で近年成長を続けるシュリンク包装は、さまざまな形状の容器に熱で収縮させたフィルムを巻き付ける性質上、商品の360度をブランディング・コミュニケーションに活用できます。デザイン性が高く、成分表やキャンペーン情報なども網羅できるこのラベル・パッケージ方式は、粘着ラベルからの置き換えも進み、市場において継続的に成長しているアプリケーションの一つです。
日本ではPETボトルの包装で普及し、ミシン目の採用によりフィルムとボトルを分別して廃棄する習慣が浸透するなど、容器の高いリサイクル率にも貢献しています。また、そういった習慣のない欧米においては、PET素材でボトルと一緒にリサイクルが可能な新しいシュリンクフィルムも登場してきており、環境対応が進んでいます。
この記事では、収縮に長けた「ECO-UV Sインク」を使用するローランドディー.ジー.のUVインクジェットプリンターMG-300と、CGS Japan 社が日本国内で販売し、熱による収縮率をシミュレーションしてデザインデータを最適化するHybrid Software社製ソフト「iC3D」を使用した、シュリンク包装によるモックアップ製作を紹介いたします。このソリューションは、飲料ボトルや食品包装、日用品や化粧品のデザインを行うブランドオーナー、デザイナー、パッケージ印刷会社、モックアップ製作会社における、スピーディかつ多彩なデザインバリエーションの内製を可能にし、デザイン工程から印刷・生産工程へのスムーズな移行を力強くサポートします。
ソリューション構成
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UVインクジェットプリンター MG-300+軟包装フィルム搬送ユニット TB-30(オプション)
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ECO-UV Sインク
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Adobe IllustratorやCorel DRAWなどのデザインソフトウェア
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パッケージシミュレーションソフトウェアiC3D
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シュリンクフィルム
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恒温水槽、あるいはヒートガン(シュリンク用)
製作プロセス
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STEP1
デザインデータ制作
シュリンク包装用のデザインデータを用意する
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STEP2
iC3Dに容器の3Dファイルをインポート
3Dファイルがない場合、iC3Dで容器の3Dモデルを制作する
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STEP3
デザインデータを用いてシュリンクのシミュレーションを行う
デザインデータ(AIファイル)をiC3Dにインポートし、シュリンクした際の形状変化を補正する
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STEP4
デザインデータ(AIファイル)にシミュレーション結果を反映する
デザインデータ上のオブジェクトを選択し、シュリンク補正を施す
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STEP5
印刷
MG-300でシュリンクフィルムに補正済みデータを印刷
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STEP6
容器に印刷したシュリンクフィルムを巻き付け、熱収縮させる
印刷したシュリンクフィルムをスリーブ上にテーピングし、容器に取り付け、恒温水槽やヒートガンを使用してシュリンクさせる