人工知能（AI）の進歩は、日常生活からビジネスまで、あらゆる分野に影響を与えています。従来AIが得意とするデータ分析や翻訳などの分野に加え、最近ではイラストや音楽のようなクリエイティブなコンテンツを生成するAIも登場し、社会に大きな変革をもたらしています。
この技術革新は、教育現場にも影響を及ぼし始めています。AIが私たちの身近な存在になるこれからの社会において、学生たちにはAIへのリテラシーやそのテクノロジーを使いこなす能力が求められます。今後の社会の担い手である学生が、最先端の技術を活用し、より良い社会を築いていくためには、教育現場におけるAIに関する実践的な学習が不可欠なのです。

2023年11月11日、横浜市立南高等学校（以下、横浜南高校）にて、株式会社マクニカとローランド ディー.ジー.株式会社の協力のもと「未来のモノづくり」を体験するワークショップが開催されました。横浜南高校は、文部科学省のスーパーグローバルハイスクールネットワーク校に指定されている中高一貫教育校です。異文化交流プログラムやさまざまな企業を招いた講習などの先進的な取り組みを通して、国際社会で活躍する人材の育成に注力しています。
今回のワークショップでは、誰でも簡単にプロンプト（テキスト）から画像を制作できる画像生成AIとさまざまなアイテムに直接印刷可能なUVプリンターを使ったオリジナルペン立ての製作体験を行いました。

ワークショップには、受講希望のあった34名の生徒が参加。彼らの多くはAIの使用経験がなく、今回が初めての機会となりました。
「AIやデジタルプリンターによって誰でもモノづくりができる、一億総クリエイターの時代に突入しました！」というマクニカ社の本村さんのスピーチと共に画像生成AIを使用したイラスト作りがスタートしました。

20分という短い時間にも関わらず、より自分のイメージに近いイラストを制作しようと英語でのプロンプト入力を試みたり、他の画像生成AIも使用するなど、試行錯誤しながら思い思いのデザインを制作。自由な発想力で「地球の未来の姿」や「15年後の中二病」などをテーマとした多彩なイラストが生まれました。

イラスト制作後は、ペン立てへの印刷へ。
今回使用したプリンターは、UVインクとインクを瞬時に硬化させるUV-LEDランプによって、さまざまな素材、形状のアイテムへの印刷が可能な「VersaOBJECT LEF2-300」。初めて目にする産業用インクジェットプリンターの迫力に驚く生徒の皆さんのリアクションはとても新鮮でした。

オリジナルペン立て完成後には、自分の作品のテーマを発表しました。
他の生徒の作品に対して賞賛の声や時には笑いが起こるなど、大盛り上がり。
また、質疑応答ではAIで生成されたイラストの著作権に関する質問などが挙がり、より深く学びたいという生徒の皆さんの想いが伝わってきました。

大盛況で終えた今回のイベント。
イベント後に行った生徒の皆さんへのアンケートでは、イベント全体に対する満足度が4.9/5点と非常に高く、学びを得る良い機会になったようです。

また、参加していただいた生徒の皆さんからは、以下のような感想をいただきました。

1. 「ほんとうに楽しかったです！この講座を選んでよかったです！！！」


2. 「最新技術が人にも地球にも価値あるものになることを実感して、未来の可能性にとてもわくわくしました。これから大学でいろんなことを学び世界に役立つものを作れる人になりたいと感じました。」


3. 「聞いたことがあっても実際に体験する機会があまりなかった最先端の技術に触れることができて新鮮でした。」


4. 「AIはあまり使ったことがなかったので難しそうという偏見があったのですが、使い方によって、無限の可能性があることがわかりました。もっと色々なことを知って自分なりに工夫して活用していきたいと思いました。」

技術の進歩により、誰でもモノづくりができる時代が訪れようとしています。
最新のテクノロジーに触れる実践的な学びは、従来の学校教育では得難い経験として、生徒の知見を広げる機会になります。今回のワークショップのような活動が盛んになることで、今後の教育現場は大きく変わっていくかもしれません。
参加していただいた生徒さんの今後の活躍からも目が離せません！

■株式会社マクニカとは
マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界23か国/地域81拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。