はじめに

ひとつは、消費者ニーズの変化です。環境変化が激しく、ライフスタイルが多様化、個性化していくことに伴い、皆と一緒のありふれたものではなく、他人とは違う自分らしいもの、自分らしさを表現できるものを所有したい、そして、それを皆と共有したい、という想いが顕著になってきています。

ふたつめは、デジタル技術の進化です。 スマートフォンのカメラやアプリで、写真を撮ったり、ちょっとしたデザインを施すなど、パーソナライズの元になるデータを誰もが簡単に制作できるようになりました。そして、インターネット環境の整備により、そのデータのやり取りが手軽にできるようになり、また、SNSでシェアすることも容易になっています。

そして、さまざまなパーソナライズアイテムを作り出す、低価格で使いやすい小型のデジタルデバイスが、パーソナライズビジネスの加速を後押ししています。例えば、立体物にダイレクト印刷ができるUVプリンターや、Ｔシャツや布に印刷できるガーメントプリンター、アクセサリーなどの金属のアイテムに打刻できるメタルプリンターなど、多種多様な製品が登場しています。

みっつめは、そうしたデジタル技術をうまく活用しながら、消費者ニーズの変化に企業側が積極的に応えようとしていることです。特に、今後消費トレンドの担い手となっていくミレニアル世代は、自分らしさや、充実した時間を過ごすことを重視する傾向が強く、競合他社との差別化を図るために、一人ひとりに合わせた商品と、特別な体験を提供することがとても重要になってきています。

これらの変化の相乗効果により、いまパーソナライズビジネスは、さまざまな業界で急速に広がり、新たなビジネスを生み出しています。
「世界でたったひとつのもの」へのニーズは以前からありましたが、これまでは、それを手軽にカタチにする手段がありませんでした。デジタル技術は、一部の限られた人だけのものだったパーソナライズを、誰もが手に入れることができる身近なものに大きく変化させています。そして、この傾向はこれからもますます進んでいくことでしょう。

最近のカスタマイズ企業の増加

デジタル機器

手軽にカスタマイズができる、コンパクトで使いやすく、導入しやすい価格帯のデジタル機器の普及が進んでいます。ここではその代表的なものをご紹介します。