ビジネスの概要
革素材を加工し、高品質な革製品へと生まれ変わらせるためには、裁断、漉き、縫製をはじめ、エンボスやプリント、レーザー加工といったアナログやデジタルの加飾工程まで、専門性の高い知識や経験が必要不可欠である。革職人として独立した大崎社長が2005年に立ち上げた革工房 真は、このすべてを網羅する、皮革加工業界のワンストップショップ。手掛ける製品は、鞄、ベルト、財布、アクセサリー、小物類など、靴以外ほぼ全て。ブランドのOEM生産、オリジナル商品開発、ショップオリジナルグッズやノベルティの小ロット受託生産、有名アーティストのファンクラブグッズ製作、さらに最近では、MinneやCreemaといったハンドクラフト販売サイトで活躍するアーティストから革プリント加飾を請け負ったり、美術系、服飾系専門学校生の卒業制作をサポートするなど、「革のなんでも屋」は、頼れる「革の駆け込み寺」として幅広く活躍している。
- デジタルソリューションの用途
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2015年に、革製品の加工を手掛ける工房としていち早くUVインクジェットプリンターVersaUV LEF-20を導入し、以降、革へのプリントサービス提供や、加飾済み革製品の製作販売、また同業者へのUVプリンター貸し出しも行い、皮革業界へのオープンなアナログ&デジタル工房の役割を果たしている。プリントする素材は、牛革、シボ、栃木レザー、イタリアのブッテーロや蛇革まで、国内外の天然皮革への実績を持つ。
- デジタルソリューション導入前後の比較
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Before
- ・革に印刷ができるソリューションを探していたが、求める画質を実現できるものがなかった。
After
- ・プリントを施したグッズの企画、生産を受託できるようになり、仕事の幅が広がった。
- ・ハンドクラフトアーティストから革素材へのUVプリントの依頼を受けるようになった。
- ・フルカラーはもちろん、黒地の革素材に白インク単色で加飾を行うこともでき、表現の幅が格段に広がった。
ハンドクラフトアーティスト、440氏とコラボした革製のサンドバック
- 導入の決め手
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- ・本革への印刷が可能な柔軟性を持つインクは必須項目であり、LEFはその要求を満たす十分な性能を持っていた。
- ・高い発色で高品質に革プリントが実現できる。
- ・白インクを搭載し、色付きの革素材への印刷ができる。
- 今後の展望
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頼れる「革のなんでも屋」は、これからも革加工の楽しさを世に広めていくことにフォーカスし、その進化はとどまらない。小学校の子供たちへ革製品のモノづくり体験ワークショップをプロデュースするなど、一般層への啓蒙活動にも力を入れている。工房内に加工設備を増設、ワークショップエリアも整備し、革製作教室を開講すべく、準備に余念がない。