ブランドケース①：GENUINE AWESOMENESS™

ねらい：
GENUINE AWESOMENESS™は、革新的な印刷・加飾方法の模索と検証を目的として当社が生み出したブランドの一つです。Cogは、毎年異なるパッケージデザイナーと共同でGENUINE AWESOMENESS™のパッケージプロトタイプを製作し、デザインプロセスの上流で私たちとコラボレーションすることの価値をPRしています。デザイナーは商品カテゴリーとパッケージ形態（ラベル、シュリンク包装、パウチ、紙器など）を選択し、Cogはそのデザインビジョンを具現化。最終成果物をウェブサイトやソーシャルメディアを通じて紹介しています。このバーボンラベルのねらいは、パッケージデザイナーの意図を補完する要素として、基材、色、特殊加工を幅広く検討し、消費者に喜んでもらえるラベルを製作することで、Cogが持つスピリッツ系商品カテゴリーに関するノウハウを示すことでした。

プロトタイプ製作担当者：
ハンナ・モランド、コートニー・ジョンソン

製作手順：
オレゴン州ポートランドのBrand Rapid Design (https://brandrapiddesign.com) 社のオーナーであるAnton Kimball（アントン・キンボール）氏と提携し、彼のGENUINE AWESOMENESS™の解釈をサポートすることになりました。アントン氏が仕立てたバーボンのラベルデザインは、白黒のデジタルデータで制作されましたが、色のバリエーション、特殊仕上げ、ラベル素材といった複数のパラメーターがいかに彼のデザインを進化させるのか。Cogはこれを自らの提案力を発揮する絶好の機会と捉え、最終的に4種類のラベル装飾を制作し、アントン氏に提供したのです。

• ラベル紙は、シルバーミラーPSラベルを使用。
• 白インクの印刷レイヤーを巧みにデザインすることで、さまざまなメタリック仕上げと光沢を実現。
• さらに、UVニスを使用してグロスやドーミング効果、多彩なテクスチャ効果を付加し、デザインを完成。

• 印刷機　　ローランド ディー.ジー.　LEC-330
• 印刷用紙　2mil シルバーPSラベル紙
• インク　　CMYK+白+UVニス
• 特殊効果　UVニス

ブランドケース②：TRYPTIC VODKA™

ねらい：
TRYPTIC™は、斬新な印刷・加飾技術の探求と検証を目的として、当社がプロデュースするブランドの一つです。香水や蒸留酒のボトルが醸し出す高級感に着目し、通常は酸エッチングやビーズブラストで最終生産しているガラスボトルの特殊表現を、デザインの初期段階からUVプリントでシミュレートすることがこのプロジェクトの主な目的でした。成功すれば、Cogはデザイナーにより多くの選択肢を提供でき、ガラス瓶メーカーに少数のプロトタイプを依頼するよりも、時間とコストを大幅に削減できることを実証することができます。

プロトタイプ製作担当者：
ハンナ・モランド

製作手順：

• ボトル
• ローランド ディー.ジー.のUVプリンターLEF-300に回転軸ユニットを装着。360°全域をカバーし、さまざまなデザインパターンをダイレクト印刷。
• グロスやマットのUVニスを複数回塗布することで、パターンや触感の表現に成功。

• ラベル
• LEC-330でシルバーミラーPSラベル紙に印刷。
• スポット光沢ニスと白インクを使用して、グラフィックとドーミング効果を表現。
  白インクを部分的にノックアウト（切り抜き）して、シルバーのPSラベル紙を露出させ、箔押し効果も再現。

• 印刷機　　ローランド ディー.ジー.　LEF-300、回転軸ユニット付き
  　　　　　ローランド ディー.ジー.　LEC-330
• 印刷用紙　フロスト調のガラスボトル、2mil シルバーPSラベル紙
• インク　　CMYK+白+UVニス
• 特殊効果　UVスポットニス

ブランドケース③：FRENCH MARKET COFFEE

ねらい：
当社のクライアントであるBrand Society（https://joinbrandsociety.com）から、French Market Coffeeのパウチ向けに、新しいデザイン案（今回はデザイン固定）のプルーフを制作するよう依頼されました。クライアントの主な要求は、French Marketのブランドカラーを正確に表現すること、魅力的な特殊仕上げを検討すること、最終生産用の印刷機の能力を最大限に引き出すこと、また最終生産時の印刷の実現性を確保することでした。

プロトタイプ製作担当者：
ハンナ・モランド、デヴィッド・ブラウン

製作手順：
デザインファイルを提供されたCogは、Brand Societyのアートディレクターおよび最終生産を担当する印刷会社と密接に協力して、最終的なプロダクション印刷に近い平面プルーフを複数出力することができました。私たちは共同作業を通じて、最終生産仕様に近いメタル調のパウチ素材を調達して校正刷りを実施。CGS ORISカラーマネジメントソフトウェアを使用して、正確なカラーマッチングと白インクの吐出量調整を行い、最終生産に使用される印刷機のキャパシティが十分に発揮された特殊仕上げを再現しました。

• アートワークは、ローランド ディー.ジー. VS-540iと広色域インクセット、CGS ORISカラーマッチングソフトウェアで印刷し、コーヒーバッグの生産に使用される基材を再現した4.8 milシルバーレトルトフィルムに転写。
• さらに、サテン調のラミネートを施し、CGS ORISを使用してLEC-330で位置合わせを行い、スポットグロスを印刷。
  完成した印刷物は、ダイライン（ダイカット枠）の精度を確認した後、手作業で組み立て。

• 印刷機　　ローランド ディー.ジー.　VS-540i、LEC-330
• 加工機　　デスクトップラミネーター
• 印刷用紙　JetCompフィルム ―　4.8milシルバーレトルトフィルム、転写フィルム
• インク　　CMYK+白＋オレンジ＋グリーン（広色域インク）＋UVニス
• 特殊効果　サテンラミネート仕上げ、UVスポットニス

まとめ：
ローランド ディー.ジー.のプリンター、特にUV硬化インクを搭載したシリーズは、業界標準の箔や基材と相性がとても良く、また、ダイカッティングの機能も充実しているので、消費者を魅了するパッケージデザインを生み出す無限のツールボックスと言えます。

また、Cogのカスタムスポットニスの提案力に欠かすことのできないUVスポットニス機能は、印刷するUVニスの吐出量を微細にコントロールし、高級パッケージの業界標準であるマットとグロスの効果や、グロスドーミングの再現において差別化を実現します。

ラベルデザインがボトルをどのように包むのか、カートンが棚にどのように置かれるのか、デザイナーにとって、パッケージデザインが意図した環境と物理的形態でどのように相互作用するかを事前に確認することは極めて重要だと考えています。